また、年齢も審査に影響するため、早めの取得が望ましい。30歳を超えると段々と点数が減り、40歳になると加点が全くされなくなるという。このほか、日本であっても4年制の大学を卒業していたり、カナダ以外で職歴があったりすると加点されるなど、様々な要素が考慮される。人手不足の職種は優遇されるなどの仕組みもあるが、雇用情勢などによって変わりうるため、注意しておくことが必要だという。

家族4人でカナダ移住「こんなに大変だとは…」日本人の多くが苦戦する壁とは?『ルポ 若者流出』(朝日新聞「わたしが日本を出た理由」取材班、朝日新聞出版)

 一方、永住権の取得に向けては、どのようなプロセスをたどる人が多いのだろうか。上原氏によると、社会人の場合、大きく二つのパターンがある。

 一つは、1年間滞在できるワーキング・ホリデーなどで訪れ、現地の企業で働くケースだ。うまくいけば、短期間で取得することができる可能性がある。もう一つのパターンとしては、現地で専門分野を学ぶカレッジ(専門学校)などに通うことだ。2年ほど通うため期間は要するが、カレッジを卒業することも加点対象になるため、英語力に自信がないような人にお勧めだという。また、カレッジを出た後も、3年間はカナダで働く権利が得られるのもメリットだ。

 このほか、現地の人と結婚して永住権を取得するケースも多い。最近では、高校や大学から留学したりするケースもあるようだ。永住権を取得した後は、5年間のうち2年以上居住していれば、永住権を維持できるのもポイントだ。そのため、ほかの国とカナダを行き来するようなライフスタイルを選ぶ人もいるという。