たとえ第一志望を諦めても
第二志望に合格できない現実

 では、シビアな内容も説明します。

 単刀直入に、「第一志望を諦めて、第二志望に変えたとしても合格は約束されない」ということです。

 第一志望を断念して、それよりも偏差値が低い第二志望を受ければ何とかなるだろうというのはハッキリ言って甘い考えです。それは偏差値を10ポイントくらい下げれば問題ないかもしれませんが、5ポイント程度だと安全圏とは言えません。逆転合格があるということは、思ってもみない不合格もあるということです。

 私は、志望校を「下げた」という言い方もおすすめしていません。

「下げた」という言い方は、子どもたちが「学力が下がっても大丈夫」というニュアンスを含んでいるため、変な安心感を与えてしまい、勉強の追い込みが効かなくなるケースがあります。また、第一志望を受けられないという落胆が、学習意欲の減退に繋がるのもよくないこと。

 入試直前に、過去問をあまりやっていない学校に志望校を変更するのは、リスクが大きいことだとお考えください。もし、どうしても変更する必要がある時は、上記で分析を進めてきたことを元にして、第一志望との出題傾向が大きく離れていない志望校に方針変更するのが良いでしょう。

 この時、子どものモチベーションが入学後に下がらないような「大義名分」(あなたの好きな部活はこちらの学校の方が強いね、など)を説明してあげてください。