“深海魚”と呼ばれる実態は
単なる成績不振でないケースも

●Bさん
「入試問題は『こういう子を取りたいという学校からのメッセージ』なので、過去問の相性がいい学校は、入学後に付いていけるかどうかは心配しないようにという話を信じて合格できました。今は、高校1年となりましたが、うまくいっています」

渋田捕捉
 せっかく入学したのに付いていけない生徒のことを「深海魚」と呼んでいる人もいるようです。実際に、そういう生徒がいるかもしれないとは思いますが、勉強についていけない理由が勉強以外にあることも。
「うまく友だちが作れなかった」「第一志望ではないことを引きずってしまった(本人かもしれませんし、親かもしれません)」などの理由があった上で、成績不振の割合が高いのではないかと感じています。
 また、私立中学では成績表を張り出したり、成績表に順位を載せたりする学校が減っているのも事実です。

●Cさん
「12月に学校説明会に行くと、入試の出題方針などを細かく聞くことができました。受験した学校は共学でしたが、出題の意図や男女の合格数の推移、また当日の動きなどをかなり細かく説明してもらいました。うちの子は、緊張するとおなかが緩くなるタイプだったので、トイレの場所などを把握できたのも、精神的に安心材料となったと思います」

渋田捕捉
 学校説明会については、8月31日の記事でも取り上げたので、ご参考にしてください。
 学校側は、「小学6年生の2月時点の学力が高い生徒」を取りたいのではなく、「自分の学校に入って伸びてくれる生徒」を取りたいと思って入試問題を作成しています。そして、伸びる生徒の条件の一つは、学校のことをよく知っている生徒・ご家庭であることは間違いないと思います。

 入試問題研究は、学校研究にも繋がります。ぜひ実りある6年間のためにも、目先の偏差値だけにとらわれずに、我が子との相性という観点で入試問題をながめてみるところから始めるのが良いのではないでしょうか。

「こんな素敵な問題を作る先生のいるところで勉強したい」ということが、受験のモチベーションになった生徒もいました。そういう視点で入試問題を分析するのも素敵です。

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