オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#4Photo:tuncaycetin/gettyimages

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業はどこか――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#4では、上位790社を一気に公開する。上位にはワークマン、ファナックなど超優良企業がランクインした。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

世間のイメージは悪いが
日本経済をけん引するのはオーナー企業

 ワンマン経営、出世できない、お家騒動――。

 全上場企業の半数近くがオーナー企業である日本において、オーナー企業に対する世間的なイメージは決して良いものではないかもしれない。記者自身もオーナー企業での勤務経験があり、創業一族に過剰な忖度をしながら仕事をしているお偉方の連中に、ほとほと嫌気が差したことを覚えている。

 何かとネガティブな印象を持たれがちなオーナー企業に対して猛反論するのが、オーナー企業、つまりファミリービジネスを長年研究している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授である。「ファミリービジネスこそ、日本経済を支える主役だ」。後藤教授は、そう断言する。

 トヨタ自動車(豊田家)、ファーストリテイリング(柳井家)、ソフトバンクグループ(孫家)、サントリーホールディングス(鳥井・佐治家)、キヤノン(御手洗家)――。いずれも日本経済をけん引する超優良企業で、どの企業も、程度の差こそあるものの、オーナー企業に位置付けられる。

 それだけではない。後藤教授がオーナー企業を評価するのは、その裏付けとなるデータがあるからだ。

 後藤教授らのグループが定期的に発行している『ファミリービジネス白書』(白桃書房)によると、収益性の指標の一つである総資産事業利益率(ROA)だけでなく、自己資本比率や流動比率といった企業の安全性を示す指標においても、オーナー企業が非オーナー企業を上回るパフォーマンスを見せたのだ。最新版である『ファミリービジネス白書2022年版』でも、その傾向は続いているという。

 こうしたことから、日本のオーナー企業は国内外で注目を集めており、海外投資家からも高い評価を得ているという。

 では、最強の「オーナー企業」は、果たしてどこか。

 ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「ROA」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』でも紹介したが、改めて説明しておく。

 下表の通り、後藤教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、オーナー企業ランキングの上位790社を一挙に公開する。上位にはワークマン、ファナックなど超優良企業がランクインした。果たして1位は?