MINI、10年ぶりのモデルチェンジ

 そんな大人気のMINIが、このたびめでたく10年ぶりのモデルチェンジを行った。BMWの傘下になった現代版MINIの4代目。今回から車名が「MINIクーパー」になった。

MINIクーパーSMINIクーパーS(広報写真)

 クルマに興味のない人が見たら、どこが変わったのかサッパリ分からない超キープコンセプトは相変わらずだが、今回は根底からの大変革がある。専用プラットフォームを用いたBEV(編注:Battery Electric Vehicleの略。エンジンがなく、ガソリンを使わず、電気のみで走るクルマのこと)がラインナップされたのだ。

 今から3年前。BMWグループのカンファレンスで、オリバー・ツィプセ会長は「2030年初頭までに、MINIはEVブランドになる」「BMWグループの中で、MINIが最初のEV専業になる」旨の発言をしている。昨今吹きすさぶEV大逆風の中、あわてふためく欧州ブランドの動向を見るに、どこまで「宣言」通りに行くのか、いささかの疑問はあるのだが、MINIが大きくEV方向に舵を切っていることは間違いない。今回発売された一連のMINIシリーズが、おそらくは最後のICE車になるだろう。

 最後のエンジンMINI。これはぜひ乗っておかねばなるまい。オドメーターが1000kmに届かないパリパリの新車を借り出して、600キロのロングドライブに出かけてきた。今回は、おそらく最後であろう“エンジンMINI”の試乗記をお届けする。