「最後のエンジンMINI」、デザインは意外とおとなしい

 おそらくは最後のICEとなるMINIクーパーは、最後っ屁よろしく“エンジン車らしさ”を盛大にアピールするデザイン……かと思いきや、さにあらず。

MINIクーパーS(前)MINIクーパーS Photo by F.Y.
MINIクーパーS(横)MINIクーパーS Photo by F.Y.

 ホットモデル※のSであるにもかかわらず、アイコンであるはずのセンター2本出しマフラーは姿を消し、普通のマフラーがリアバンパー左下にそっと隠されている。あまつさえ、ボンネット上のエアスクープも省略されているではないか(実は旧モデルのエアスクープはダミーで、機能性はゼロどころか逆に空気抵抗にさえなっていたのだが……)。「S」を冠したホットモデルが、200馬力超のスポーツカーが、高出力エンジン車の象徴である空気取り入れ口と、太い排気口を隠してしまったのだ。同じくICEで、控えめなモデルである「MINIクーパーC」との外観上の差はほとんどない。

※ホットモデル…「ホットハッチ」のこと。スポーツカーよりも価格が安いが、スポーツカーに劣らない実力を持つハッチバック車を指す。

 今まではこれでもかとアピールしていた給排気口を消し去った意図はどこにあるのか。派手に施されていた加飾を一切排除した真意は何か。「EVへのプロローグ」という事なのだろうか。インポーターインタビューの時に詳しく聞いてみよう。