「荷主が直接施設を借りる」
トレンドは変化?

 2000年代以降、荷主の物流を包括的に請け負う「3PL」と「賃貸用物流施設」の市場は連動して拡大した。3PL会社は荷主との契約期間の短期化傾向が強まる中で、施設を借りる選択によりリスクを抑えながら柔軟に物流拠点の調達が可能となった。

 物流不動産デベロッパーが、物流施設を賃貸するメリットのひとつとして掲げたのが「オフバランス」だ。財務状況をよくするために資産を増やしたくないという借り手のニーズをとらえ、物流施設の「所有」と「利用」の分離が進んだ。

 新リース会計基準の適用により、オフバランスにできなくなり「所有」に回帰する可能性はそれほど高くない。物流施設の有力地はいまやデベロッパーにほぼ押さえられ、建築コストも上がっているため、自社で施設を建てるハードルは上がってきているためだ。

 物流不動産関係者によると、物流施設の賃貸借契約は長期化している。開発コストの上昇を受けデベロッパーは契約更新時に賃料を値上げするため、借り手は長期のリースを希望する傾向にあり、会計基準の変更は賃貸用物流施設の需給に大きく影響しないとも考えられる。

 一方、「荷主が物流施設を直接借りる」トレンドは変化する可能性がある。トータルコストを抑えるため、近年は荷主が直接施設を借り、庫内作業だけを物流会社に委託するケースが増えていたが、物流会社に施設を賃借させ寄託契約に切り替えることも考えられる。

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