メンバーの行動が期待に満たない2つの理由
そもそも、メンバーの行動が期待レベルに満たない理由は大きく分けると2つあります。
それは、①求められているタスクがあいまいだから、②メンバーが自分の仕事の範囲を狭く捉えているから、です。
メンバーが期待どおりの行動をしないのは、もちろんやる気の問題もあります。ですが、メンバーが期待されている内容を理解していないことも大きな原因のひとつだと思うのです。
この2点を明確に言語化することで、お互いのタスク範囲およびお互いがとるべきアクションを共通認識として持てるようになります。
「そのために、何をする?」で具体的なアクションに変える
メンバーが自分のタスクを明確に捉えられていない場合、そもそもやっているかやっていないかもあいまいになります。「商品Aのプロモーションを担当してください」と伝えても、何も明確にはなりません。リーダーは「あれと、これと、それと、それから○○もやってもらいたい」と思っているかもしれませんが、その思いは伝わっていません。
まずは「そのために、何をする?」を繰り返し、具体的なアクションに変えることが必要です。
「商品Aのプロモーションをするために、○○をする。○○もする。○○もする」とリーダーが思いつくものをひとまず書き出し、リーダーが期待している業務を洗い出します。そのメンバーにすべて依頼できるかどうかはわかりませんが、ひとまず洗い出すことが大事です。
「○○が、○○できるように」で仕上げ具合を伝える
そして、メンバーにしてもらいたい業務範囲を明確にしたあとは、仕上げ具合について考えます。企画職であれば、作ってもらいたい企画の種類、手掛けてもらいたい商品企画などを明確にします。そのあとに、それぞれどのレベルまでやってほしいのかも伝えなければいけません。
多くの組織で「いい感じに仕上げてほしい」「斬新なものを」「プロとして緊張感と責任感を持って」というようなフレーズが使われています。こう言われるとプレッシャーを受けている感じはありますが、どこまでやればいいのかわかりませんね。
期待値は、「○○が、○○できるように」で表現すると認識をそろえることができます。
「社長が、株主総会で使えるように」「営業担当者が、そのままクライアントに渡せるように」「私(リーダー)が、上に報告する資料に添付できるように」と伝えると、メンバーはどのような体裁にして、どのくらいのレベル感が求められているかをイメージしやすくなります。