特にビビっているのは、昭和生まれの「おじさん」だろう。この世代は自分が「セーフ」だと思ってやってきたことが、令和の感覚ではシンプルに「レイプ」、罪状としては「不同意性行罪」ということも少なくない。

 例えば、昔のトレンディドラマでは、同僚や友人どうしで酒を飲んで記憶を失い、朝ベッドで目が覚めると隣にはその女性が裸で寝ている、なんてシーンがよく登場したものだ。「サラリーマンのバイブル」と言われた「課長 島耕作」にも似たストーリーがあった。

 リアルにそのような経験をしたことのある人は「若気の至りだけど、いい思い出か」なんて遠い目をしているかもしれないが、令和の時代、それは「性犯罪者の開き直り」と取られてしまう。

 令和5年(2023年)7月に改正された刑法第177条の「不同意性交等罪」の中には、この罪が成立する要件として「アルコールもしくは薬物を摂取させること、またはそれらの影響があること」とある。今の時代なら島耕作も不同意性交罪で初芝電器をクビになっていた。