超一流は“マウンティングの土俵”に乗らず
結果を出す

 マウンティングは不毛な行為のように思えますが、それをすることに何かメリットはあるのでしょうか。マウントを取ることで仕事の成果が上がるのでしょうか。上がるのであれば、それは「戦略の一つ」とも言えるかもしれません。

 よく行くバーの店員の方と「接客」について話した際、非常に共感したお話がありました。

 彼は以前、家電量販店にて販売員をしていたことがあるそうです。担当はカメラ売り場でした。カメラというと、マニアの方が多くいらっしゃることは容易に想像ができます。お客様もスタッフも知識を豊富に持っていて、マウンティングするつもりがなくてもそれに近い現象がよく見られるそうです。

 その様子を見ていた彼が実践したこと――それは、自分の知識を話すことを一切やめ、お客様の話だけを聞き、販売に徹することでした。その結果、彼は売り上げNo. 1になったのです。

 マウンティングを取るには、一定時間を要します。彼はその時間がもったいないと感じたといいます。

「欲しい!と思って売り場に来ている人ほど、スタッフの知識なんて必要としていないんです。狙いをつけていたものをサクッと買って帰っていく。だから、1日のうちに欲しい!と思っているお客様の接客を多くすることで、売り上げを効率よく作れました」

 確かに、受付も同じ時間帯に多くのお客様が一気に押し寄せます。少しでもお待たせする事なくスムーズかつ正確に接客する必要があり、お客様もそれを期待しています。過度なおもてなしや接客を必要としていないという点は共通しており、共感できるお話でした。

 少しマウンティングの話からはそれてしまいましたが、無駄な感情や押し付けが好影響を与えないということは、どんな仕事にも共通していると思います。