男性写真はイメージです Photo:PIXTA

年齢を重ねた“大人”であっても、嫌な感情が顔に出たり、SNSの反応を気にしたり、マウントを取ったりと、幼稚な言動を取る人々はどこにでもいる。その一方で、20代・30代のいわゆる“若者”と呼ばれる人であっても、落ち着いた大人の雰囲気を醸し出す若者がいるのも事実。はたして、両者の違いはどこにあるのか。ベストセラー作家の有川真由美氏が、幼稚な大人から脱却する方法を伝授する。※本稿は、有川真由美『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』(興陽館)の一部を抜粋・編集したものです。

怒り、イライラ、不満……
嫌な感情を顔に出す人たち

「あなたのまわりの子供っぽい人は?」とまわりの人に聞いて、圧倒的に多かったのが、“嫌な感情を顔に出す人”でした。ムッとした顔、イライラした顔、嫌そうな顔、いじけた顔など、ネガティブな感情がダダ漏れしている人はいくらでもいるし、自分でもそうなることがあるのではないでしょうか。

 私も20代のころは会社の理不尽さに腹が立って、上司に反抗的な態度をとったこともありました。しかし、同僚は「怒ってもエネルギーの無駄。それよりさっさと仕事片づけて帰ろうよ」と涼しい顔をしていて、つくづく「大人だなぁ」と思ったものです。

 感情が顔に出る人は、正直でわかりやすい人ともいえます。子供のように喜怒哀楽を素直に出すので表情豊かで、溜めこまない。ポーカーフェイスで「なにを考えているかわからない」という人より、安心感もあるでしょう。

 ただ、後先考えず、人の迷惑も考えずに、不快な感情を表に出すのが、大人気ないのです。大人はネガティブな感情を「今、ここでは出さないほうがいいな」と抑えたり、「別に怒るほどのことでもないか」と消化させたりする術をもっています。

 とくにイラっとした感情をそのままぶつけても損をするだけ。「すぐに感情的になる幼稚な人」などと思われ、信頼されなくなります。

 瞬発的な怒りは長く続かないので、数字でも数えて深呼吸をしましょう。「あ、今私は怒っている。1、2、3……よしよし、だんだん落ち着いてきた」と、他人を見るような目で実況中継するのも意外に効果があります。「感情的にならず穏やかな人」という印象のほうが信頼され、つき合いやすいと思われるはずです。

 とくに怒りはエネルギーを消耗し、自分自身も蝕む感情。小さなことでいちいち腹を立てていたら身がもちません。ただし、自分の大切なものが壊されるときは、冷静にどう表現したら効果があるのか考えて怒りましょう。自分と大切な人を守るために。

信頼されるための絶対条件は、感情を抑える術をもつこと