「日本の輸入車で一番売れているのはMINI」は、本当に合っている?

 今回のインタビューは、前回の記事の出稿直後に行われた。まだギリギリ記事内容の修正が利くタイミングだ。インタビューの前に、こんなやりとりがあった。

AD高橋:インタビューを始める前に、確認しておきたいことが一つあります。いまフェルさんが書いている記事の中に、「MINIは、車種別輸入車ナンバーワン」という記述が出てきます。メーカー別でいうとメルセデス、BMW、フォルクスワーゲンの順で、こちらは統計の数字から見ても明らかです。でもこれが車種別となると、急に書き方が難しくなる。確かに、日本自動車輸入組合(以下、JAIA)の発表する数値(2024年上半期)を見ると、1位が「BMWミニ」で2位は「フォルクスワーゲン ゴルフ」、そして「メルセデス GLC」「メルセデス GLB」と続いているのですが、MINIだけが「BMWミニ」となっているんです。これをそのまま載せて良いものかどうか。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):そう。普通のMINIとか、MINIカントリーマン(先代まではミニクロスオーバー)とか、今回廃番になってしまったMINIクラブマンとか。MINIにも複数の車種があるのに、JAIAの資料はひとくくりに「BMW ミニ」となっているんです。この発表の仕方では、他のメーカーから「不公平だ!」とクレームが来るのではないか、と危惧しておりまして。

ビー・エム・ダブリュー広報部 前田雅彦さん(以下、前):それはよく議論になるのですが……別にウチがそうしてください、とお願いしているわけではないんですよね。

 まず、ビー・エム・ダブリュー株式会社というのがあって、BMWのツリーの下に1シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、4シリーズとカテゴリーがある。MINIはBMWの一つのカテゴリーとして「BMWミニシリーズ」となっているんです。1とか2と並列です。そのMINIシリーズのツリーの下に、カントリーマンとか、前まであったクラブマンとかが出てくるわけで、JAIAの発表は、この2階層目でカテゴライズしているんです。だからMINIは「BMW ミニ」と出てしまう。ツリーのさらに下の段を書くとなると、例えばメルセデス・ベンツさんならCクラスのセダン、ステーションワゴン、オールテレインを分けて書くことになるわけで……。

F:やや、なるほど。車種別ツリーの階層の問題ですか。