今回のMINIは、おそらく最後のガソリンエンジン車

F:では、改めてよろしくお願いいたします。MINIはBMWの中でもっとも積極的に電動化を推進していますよね。2030年代初頭には、全ての車種をBEV※化すると宣言しています。

ビー・エム・ダブリュー MINIディビジョン プロダクト・マーケティング プロダクト・マネージャー 福島絵理さん(以下、福):はい。その通りです。

F:昨今のBEVに対する逆風は相当なものがあり、複数のメーカーが相次いで方針転換を発表していますが、この方針に変更はありませんか?撤回はしていない?

福:変更も撤回もありません。今回は全モデルがフルモデルチェンジを行いましたが、完全にBEVに振るのではなくて、きちんと内燃機関モデル※※も残してあります。お客様がお好みの動力を自由に選べるラインナップを取りそろえています。

F:来週出る記事の中に、「恐らくはこれが最後のICE MINI」※※と書きましたが、それも間違いではない?

福:何しろニューモデルが出たばかりのタイミングですからね。次のモデルに関しては、何もオフィシャルの情報が出ていないんです。秘密でもなんでもなく、本当にお話しできることがありません。

F:次のモデルチェンジに向けて、新しいエンジンをイチから開発するなんてことは……。

福:考えにくいですよね。今が2024年で、2030年なんてすぐそこですから。

前:MINIのモデルサイクルは、大体7年から8年です。そこから考えると、次のモデルチェンジは2031年か32年。その段階でガソリンエンジンを入れるというのは……やはり考えにくい。だから「MINI最後のエンジン車」という表現は正しいと思います。

F:では遠慮なく「最後のエンジン車」と書かせていただきます(笑)。

※BEV:Battery Electric Vehicleの略。エンジンがなく、ガソリンを使わず、電気のみで走るクルマのこと。
※※ICE/内燃機関モデル:Internal Combustion Engineの略。内部(インターナル)で燃料を燃やす(コンバスチョン)、つまり「内燃機関」と同じ意味。