緩和傾向で狙い目の学校

 七つの駅とスクールバスが行き来している東京農業大学第三高等学校付属(東松山市)。2025年は10日の入試で大宮と川越に加え、所沢にもサテライト会場を設ける。志望者数はいずれの入試回も大きく減っており、かなりの狙い目校となりそうだ。

 2科・4科の [10日1回特待]は24年に106人が受験、実倍率は1.07倍だった。「総合理科」「ことば力」「世界と日本」に25年から「算数」が加わり、いずれか一つを選ぶ[10日午後2回特待]は、同様に88人が受験して1.44倍だった。志望者数はそれぞれ2割半減と4割減で、いずれも25年には1倍に近づいていきそうだ。同じく5割半減の[11日3回]と5割減の[25日4回]は、24年実倍率が1.05倍と1.06倍で、限りなく1倍に近づきそうである。

 本庄東高等学校附属(本庄市)も、25年からは六つの駅とスクールバスを走らせる予定となっている。募集定員は90人で、24年は2回の入試を合わせて125人の合格者を出した。実倍率は[10日1回]が1.07倍、[17日2回]が1.13倍だった。志望者数は少ないものの、どちらも3割前後減っており、25年はとても受けやすくて受かりやすい状況がさらに進みそうである。

 男女別の寮もある秀明(川越市)の募集人員は80人で、うち20人のスーパーイングリッシュコース、医進・特進コースと総合進学コースに分かれる。千葉の中学校同様、年内入試で多くの受験生を集めている点がユニークだ。[12月1日専願]は75人が受験し、実倍率は1.17倍だった。

 一般入試は[1月12日I期]と[2月8日II期]に行い、24年の実倍率はそれぞれ1.19倍と1倍だった。英算国から2科を選ぶ点がユミークで、スーパーサイエンスコースでは3科すべてを受ける。志望者数が少ないため予想はしづらいが、25年もこれまで同様の競争状況だろう。

 狭山ヶ丘高等学校付属(入間市)は四つの入試回が設けられ、4科・2科・1科(算数)のいずれかを選択する。志望者数は多くないものの、1回は3割半増、2回は減少傾向で、3回は9割弱増、4回は4割弱減と入試回により上下動が激しい。24年に87人が受験した。

 [10日1回]の実倍率は1.23倍、同様に60人の[12日2回]は1.33倍、32人の[16日3回]は1.45倍であり、25年にはそれぞれ、1倍台半ば、1.2倍台、2倍前後、1倍強が予想される。24年受験者数4人の[2月6日4回]について、25年の予想は控えておきたい。