緩和気味の開智未来と好調な昌平

 利根川の北側、栃木や茨城との県境にある開智未来(加須市)の最寄り駅は東武日光線「柳生」駅である。隣接県からの生徒募集も可能だが、2024年に一番受験生が多かった入試回は募集定員10人の[15日開智併願型]の1086人で、実倍率は2.07倍と人気だった。志望者数は2割弱減っているので、25年は2倍を割れそうだ。入試問題は開智[15日特待B](受験生数975人)の4科で、開智との併願判定もできる。同じ日の開智所沢[特待B]は904人が、開智望(茨城・守谷市)[15日開智併願型]は642人が受験するなど、開智グループ全体では3600人もの受験生がこの日に押し寄せている。

 2科の[10日午後1回]は微減、4科・3科(国算英)・2科がある[14日2回]は3割弱減となっており、24年実倍率1.2倍と1.44倍から、25年はいずれも1.2倍程度になるかもしれない。国算理3科の[12日午後T未来]は4割弱減で、24年実倍率2.03倍から25年には大きく緩和しそうである。一方で、志望者数2割弱増の[11日午後算数1科]は24年実倍率1.91倍が25年には2倍に乗せるかもしれない。

 教科型ではない[10日探究1] と[11日探究2]は、24年の実倍率が共に1.23倍だった。志望者数は1割半増と前年並みとなっている。

 スカイツリーラインと呼ばれる東武伊勢崎線沿いの学校は明暗が分かれる。4回の入試日程が組まれ、それぞれ一般入試と英検2~3級程度を想定したグローバル入試、合格者が全員奨学生となるTクラス入試などが一緒に行われる昌平(杉戸町)。最寄り駅は東武日光線「杉戸高野台」駅と東武伊勢崎線「和戸」駅である。サテライト会場は大宮と越谷にも設けられる。全般的に志望者数は増加傾向にある。

 24年に163人が受けた[10日1回一般]の志望者数は1割減、[11日2回一般]は3割半減と緩和気味だが、[12日3回一般]は2割半増、[2月5日4回]は2割増となっている。24年実倍率は順に、1.23倍、1.39倍、2.09倍、8倍であり、早い入試回で受けた方が合格しやすい傾向は、25年もさらに強まりそうだ。

 Tクラス入試は、[10日午後1回4教科型]が1割増、[11日午後算数1教科型]が2割半増となっている。年々低下してきた1回は下げ止まり1.3倍程度に、24年実倍率9倍の2回は10倍超えに25年はなりそうだ。[13日3回4教科型]は4割半増で、23年実倍率5.43倍から24年1.83倍に大きく緩和したものが、25年には22年3.05倍程度まで戻しそうである。

 国算英3科のグローバル入試は2回行われるが、いずれも志願者数が前年と同じである。24年実倍率は、[10日1回]が1.2倍、[11日2回]が1.71倍となっており、1回が大変受けやすいだろう。