増加基調の埼玉栄と浦和実業、武南

 栄東と同じ学校法人の埼玉栄(さいたま市西区)には2科・4科で五つの入試回があり、各回で医学・難関大・進学という三つのクラス分けをしている。実倍率は1.5倍台まででいずれも受けやすい。志望者数は全体的に見れば増加傾向にある。

 2024年の受験者数上位二つは医学クラスで、951人の[10日1回]と935人の[10日午後2回]は、志望者数が2倍増と3割減と明暗を分けている。実倍率はそれぞれ1.39倍と1.57倍で、25年にはいずれも1.5倍前後になりそうだ。他に志望者数は、[11日3回]が微増、[11日午後4回]が4割減、[13日5回]が横ばいとなっており、おおむね緩和傾向にある。

 難関大クラスは、[10日1回]が微増、[10日午後2回]が4割弱増、[11日3回]が1割半増、[11日午後4回]が7割増、[13日5回]が5割増と全体的に増加傾向にあるとはいえ、25年の倍率は1割台後半にとどまるだろう。進学クラスは、[10日1回]と[11日3回]がいずれも微増、[13日5回]が5割増だが、やはり倍率2倍の壁は25年も超えることはなさそうだ。

 戦後、簿記と珠算の学校から始まった浦和実業学園(さいたま市南区)は、募集定員680人の高校に対して、20年前に設立された中学は80人と少ない。志望者数動向を見る限り、25年は総じて前年並みとなりそうだ。

 24年受験者数が539人と最多の[19日2回適性検査型]は実倍率1.31倍、同じく478人の[10日午後1回適性検査型]は1.32倍と、同校の中では最も低い競争状況になっている。志望者数が少ないので25年の予想は難しいが、おおむね同様の状況が続くのだろう。

 教科型入試は特待入試に人気がある。[10日1回<午前>特待]が24年受験者数454人で実倍率1.46倍、同じく448人で1.55倍の[10日午後1回<午後>特待]も遜色ない。ただ、志望者数で午前は5割弱増、午後は減少傾向となっており、25年は午前の倍率がさらに高まりそうだ。[12日2回<午前>特待]と[12日午後2回<午後>特待]は、24年実倍率が1.57 倍と1.63倍となっており、いずれも微増傾向なので、25年は少しだけ倍率が上がりそうだ。

[25日3回]は4割弱志望者が増えており、24年・23年の実倍率1.63倍から2倍に向けて上昇しそうである。[17日英語]は50分間の筆記と10分間の面接で合否が決まる。

 中位校の武南(蕨市)は、10日に受験生が集中する。[10日1回午前]と[10日1回午後]は、24年受験者数と実倍率がそれぞれ367人・1.34倍と335人・1.37倍と程よい。志望者数は、午前が5割増、午後が微増で、25年は午前の入試がさらに人気となりそうだ。

 これ以降の入試回での受験者数はいずれも100人を切るものの、[12日2回]は3割増、[20日3回]は5割弱増、[27日4回]は4割増といった具合に、どこも人気化している。25年に、2回と3回は1倍台半ば、4回は2倍台後半まで上昇する可能性はある。[2月4日5回]は増加基調とはいえ、24年受験生が4人だったので予想は控えたい。