MTに乗りたくて
AT限定免許からの限定解除の動き

 こうしたマツダがMT車に対する講習の拡充を進める一方で、MT車に乗りたいからAT限定免許から限定解除する動きもあるようだ。

 まず、AT限定免許の普及について、警察庁の令和5年運転免許統計を確認したところ、都道府県別指定自動車教習所の卒業者数のうち、普通免許では全国で104万3956人。このうち、AT限定は78万3937人、限定なし(26万0019人)の割合は25%に過ぎない。

 地域別での同割合は、東京・警視庁管内で19%であるのに対して、鳥取県が31%、マツダの地元広島県が26%と、軽自動車の利用などもあり、限定なしの比率に差があるようだ。

 また、マツダを通じて大手ドライビングスクールでの状況を確認したところ、普通免許の年間卒業者数約3万人のうち、AT限定免許が80%、限定なしが15%であるのに対して、AT限定解除は5%という。

 こうしたAT限定解除の中には、業務上で必要になった人がいるほか、ロードスターのようなMTに乗りたいという人が含まれているものと考えられる。

 日本市場では2030年代に、マツダも含めてEV(電気自動車)シフトが進むと考えられている中、MT車がどのように商品性を保つのか、今度の市場動向に注目したい。