首都圏にある中高一貫の男子校と女子校に続いて、共学校の埼玉、千葉と茨城の順で見てきた。今回は、東京と同じ2月1日が一般入試の初日となる神奈川の共学校について、四模試での志望状況をもとに、2025年入試の人気動向を予想する。(ダイヤモンド社教育情報)
難関・上位校は大学系列と公立一貫校
2025年中学入試は、中堅・中位校を中心に人気が上昇する傾向にある。6月から7月に実施された四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の志望者数合計を前年同期と比べ、24年や23年入試での実倍率も参照しながら、神奈川の共学校について、25年2月入試の競争状況を考えてみたい。25年入試で特に注目される人気上昇校は、神奈川大学附属、関東学院、関東学院六浦、鶴見大学附属となりそうだ。
神奈川で難関と呼ばれる共学校は、慶應義塾湘南藤沢キャンパス(SFC)にある付属校の慶應義塾湘南藤沢(藤沢市)だろう。一般入試で約70人、帰国生入試で約30人を募集している。[2日一般一次](左は日程、右は入試名。以下同じ)は4科もしくは国算英3科のいずれかの筆記試験で、[4日一般二次]は一次合格者に体育と保護者同伴の面接を課して合否を判定する。24年は421人が受験して、実倍率は4.73倍と高かった。22年に5.47倍あったことを考えれば、それでもハードルは下がっているが、四模試の志望者数は1割強増えているので、25年は5倍に向かう流れにある。
これに次ぐ上位校には、有名大学の付属・系属校が並んでいる。青山学院大学の系属校である青山学院横浜英和(横浜市南区)。[1日一般A]は[2回帰国生]も含むが、24年は667人も受験している。24年実倍率は2.55倍だが、23年は3.2倍、22年は2.08倍と実倍率の隔年現象もうかがえる。とはいえ、志望者数は1割減なので、25年はさらに緩和するかもしれない。これに対して[3日午後一般B]は、志望者数が3割半増えており、24年実倍率4.36倍が23年の5.38倍に向け、25年にどれだけ戻すかが注目される。
かつてフェリス女学院隣にあった横浜山手女子が中央大学の傘下に入り共学化、現在地に移転した中央大学附属横浜(横浜市都筑区)は、卒業生の7割ほどが中央大学に内部進学している。24年実倍率は[1日1回]が2.46倍、[2日午後2回]が2.86倍だった。2回ある入試の志望者数は微増と前年並みということで、25年も同様の競争状況になりそうだ。22年から全体的にゆるやかな緩和傾向にある。