「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
「お客さんが困っていること」を徹底して考える
お客さんの立場で購買プロセスを書き出したら、次に「お客さんが何に困っているのか」を書き出します。
このとき、店舗のリーダーはスタッフと一緒に考えていきますが、徹底してお客さんの立場になって考えることを共有しなくてはなりません。
店舗で働く自分たちの立場で考えてしまいがちですが、そうなるとお客さんの困りごとには気づきにくいです。
お客さんの困りごとの「仮説」を立てる
手っとり早くお客さんの立場になるには、ネット上の口コミや店舗でのアンケートが、とても参考となります。
これらの情報をとり込んだうえで、データでは得られない日ごろの接客から得られる個人の行動や価値観に深く根差す“暗黙知”まで共有して、「お客さんはこんなことに困っているのではないか」と仮説を立てるのです。
江戸時代の越後屋の例でいえば、一般客にとって「値段が高い」「必要なぶんだけ買えない」ことが困りごとだったのです。
困りごとを解決して喜ばれる手段は?
お客さんの困りごとを明確にしたら、次に「どのような工夫をすれば、お客さんの困りごとが解決して喜ばれるのか」を検討します。
そして、「何をやるのか」を決めていくのです。
越後屋であれば、「屋敷売り」や「掛売り」がなくなっても一般客はさほど困らないし、それよりは価格の安さを実現したほうが喜ばれるのです。
“ビジネスの本質”を追究する
私がコンサルティングをした年商15億円規模の鮮魚専門店では、お客さんが魚を買うとき、店側に切り身に加工してほしいと思っても、どのように頼めば(伝えれば)いいのかわからないという困りごとを見つけました。
その困りごとを解決して喜んでもらうため、魚の加工法を図解したパネルを数パターンつくり、それに番号をふることで、お客さんが「3番で加工してほしい」と簡単にオーダーできるように改善したのです。
とにかくお客さんの立場になって、細かな点から喜んでもらえる工夫をする。これは店舗運営や接客業だけでなく、製造業や卸売業にも通じる“ビジネスの本質”だと思います。
1. お客さんの立場になって購買プロセスを書き出す
2. お客さんが何に困っているのかを書き出す
3. どんな工夫をすれば、お客さんの困りごとが解決して喜んでもらえるのか検討する
4. 具体的に「何をやるのか」を決めて実行する
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。