国民民主党との「政策協力」やるべきことやってはいけないこと、積極財政に傾けばインフレ過熱国民民主党の玉木代表 Photo:SANKEI

石破政権、国民民主党との政策協議開始
「高圧経済」政策は正しい選択か?

 衆議院総選挙で自由民主党・公明党の与党が過半数を割り込んだ石破茂政権は、政権運営で野党の協力が不可欠となり、国民民主党と「政策協力」で合意、11月5日、自民・公明両党と国民民主党との政策協議が実質的に始まった。

 当面、経済対策を盛り込んだ2024年度補正予算、さらには25年度予算編成や税制改正で協議を始めるが、衆院選で「未来志向の積極財政」を掲げた国民民主党の政策の一部が反映されることで、経済対策の規模は大きく膨らみそうだ。

 国民民主党は「現役世代の手取りを増やす」として、「103万円の壁」打破のための基礎控除等の引き上げやガソリン価格の引き下げのほか、名目賃金上昇率が4%(2%の物価上昇率を差し引いた実質賃金上昇率は2%)に達するまでは積極財政と金融緩和を続ける「高圧経済」政策などを主張している。

 しかし日本経済はデフレから脱却しつつあり、むしろ人手不足などの供給制約が懸念される状況だ。石破政権は野党の協力を得て経済課題に取り組むとしても、需要を押し上げる政策ではなく、労働生産性などを引き上げる供給面重視の政策を進めるべきだ。