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――近頃では新興国や発展途上国に行っている学校も増えているようですね。

 佼成学園は中1でモンゴル、中2でタイ、中3でフィリピンに行っていますし、足立学園はアフリカのタンザニアに、関東学院六浦がブルネイに研修に行っています。

 先進国での体験も触発される出来事になるでしょうが、機会があるのなら発展途上国に行ってもらいたいですね。世界にはこんなに過酷な現実があるんだというカルチャーショックを受けるのも大事なことですから。地球規模の課題を「何とかしたい」という気持ちになってほしいと思います。

 そう言えば、先日、文化学園大杉並の校長から生徒がドバイやアブダビへ行った話を聞きました。

 ドバイは今や世界の最先端。親たちが持っている中東のイメージとは様変わりしていて、世界中から人とお金が集まっています。

 生徒たちが訪問したのはドバイにある日本人が1人しかいない企業だったのですが、社内で交わされていた言語は14カ国語もあったそうです。生徒たちは世界で今起こっていることを目の当たりにして、大いに刺激を受けたそうです。

 面白かったのは、その会社はこの生徒たちが大学生になった際にはインターンとして受け入れると約束したことです。卒業後のことまで考えて、生徒のための人脈作りをしていることに感心しました。

――ダブルディプロマ※をやっている学校も増えてきましたよね。

(※ダブルディプロマ=国内と海外の2つの高校卒業資格を得ることができる教育プログラムのこと。これによって多くの海外大学へ出願できる。国内大学に帰国子女枠で進学することも可能)

 ダブルディプロマを難関校で実施しているケースはないんですが、実施している学校の中では文化学園大杉並が代表格です。カナダのブリティッシュコロンビア州に「海外校」として認可されているので、カナダから招いた先生方によってカナダと同じ授業が校内で行われています。