ドラえもん役を約26年間にわたり
担当した声優、女優の大山のぶ代
東京都港区三田といえば、慶応義塾大の所在地として知られる。都立三田高校はそのすぐ北側にある。戦前は高等女学校だったが、「良妻賢母」教育はせず実務型の教育に徹した。文化人として活躍した卒業生が多い。
最も知名度が高かった卒業生は、声優、女優の大山のぶ代だろう。国内外で人気のアニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)のドラえもん役で、特徴的なダミ声で親しまれた。24年9月に老衰のため死去した。90歳だった。
大山は、三田高校を卒業後、俳優座養成所に入所した。1956年にNHKドラマ「この瞳」で俳優デビュー。声優としても活躍し、テレビアニメ「サザエさん」の初代磯野カツオ役などに出演した。
爆発的な人気を博したドラえもん役は、1979年から2005年まで約26年間にわたり担当した。原作者の故藤子・F・不二雄(富山県立高岡工芸高校卒)から「ドラえもんって、ああいう声だったんですね」と言われたことが、心底うれしかったという。脚本家としても活躍し、ドラマ「太陽にほえろ!」などを執筆した。
2001年以降、直腸がんや脳梗塞を患い、15年には認知症であることを夫の砂川啓介(私立成城高校卒、2017年7月に死去)が公表した。
高橋洋子は、俳優活動の傍ら小説も書いている。1973年にNHK朝の連続テレビ小説「北の家族」のヒロインに選ばれた。1982年に小説「通りゃんせ」が芥川賞候補になった。
女優の森今日子、俳優の新克利、舞台女優の松本好永、俳優の金子貴俊(定時制)、落語家の柳家小袁治、クラシックバレエの大胡しづ子らがOG・OBだ。