特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾』の#11では、近年の二大トレンドである「理系志向」と「海外大志向」をかなえる学校について、中学受験だけでなく、大学入試にも詳しい日能研の井上修氏に聞いた。併せて現役での理系進学率が高い中高一貫校の詳細データも公開する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
「理系志向」と「海外大志向」が増加
女子校の理系進学率も上昇
──注目度が高まっている中高一貫校の特徴を教えてください。
以前のように偏差値だけで学校を選ぶ家庭は減っています。中長期の大きなトレンドは二つあります。一つは「理系志向」、もう一つは大学選びにおいて「海外の大学」を視野に入れる家庭の増加です。
従来、理系進学率が高い学校は難関校に集中していましたが、中堅校においても進路選択で理系を選ぶ率が増えてきました。芝浦工業大学附属や東京農業大学第一など理工系大学の付属校の人気も高まっています。
背景には社会の構造変化に加え、高大連携が進んでいることがあります。「探究+学問領域」を基に学部を選び、最後に大学を選ぶ流れが加速しています。
2023年は女子校の理系進学率も30%を超えました。18年が26.3%だったので画期的な変化でしょう(下図参照)。桜蔭の理系進学率は70%に近い水準になっています。
次ページでは、首都圏の現役での理系進学率が高い注目校をランキングで紹介。女子校の1位は桜蔭だが、2位は?また男子校、共学校のランキング上位の顔触れは?また、もう一つの大きなトレンドである「海外大志向」についても、日能研の井上氏が具体的なデータを基に解説する。