2025年のエネルギー業界の重要テーマは米国によるエネルギー政策の大変更、それによりもたらされる世界へのさまざまな影響である。日本のエネルギー・環境政策にどのような影響があるのか。当面は米国の動向をいやが上にも注視するしかない。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、エネルギーの専門家が25年の10大テーマを挙げた。本稿では後編をお送りする。(エネルギーアナリスト 巽 直樹)
大統領選はトランプ圧勝
米国のエネルギー政策は?
選挙イヤーといわれた2024年、11月に実施された米大統領選挙が最大のイベントになることは、最初から誰の目にも明らかであった。もっとも、世界で大型選挙が続いたものの、米大統領選以外の選挙は、おおむね予想通りの違和感のない結果となった。
この状況を踏まえると、来年のエネルギー業界の重要テーマを選ぶにあたり、真っ先に考慮するべきことは、今回の選挙で予想以上のクライマックスを世界に見せつけた米国によるエネルギー政策の大変更、それによりもたらされる国際社会へのさまざまな影響であることに異論は多くないであろう。
12月3日配信の筆者寄稿『トランプエフェクト、化石燃料復活、クリーンエネルギー…2025年のエネルギー業界10大テーマを徹底解説!【前編】』では、10大テーマのうち5テーマを列挙し、解説した。具体的なテーマは、「トランプエフェクト」「米中対立の影響とエネルギー安全保障の強化」「Net Zero 終わりの始まり」「化石燃料の復活」「どうするクリーンエネルギー」だ。
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