自分は将来どうなるだろう……。そんな不安を持つ人は少なくないのではないだろうか。「いつまで第一線でいられるか」「いつまで他人と競えばいいのか」「いまいる友達は60歳になっても友達か」「気力体力はどうなるか」「お金は?」「いまのうちにやるべきことは?」など疑問がつきない。そこで本連載では、2025年に60歳を迎える奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。「力まず自然体でカッコいい大人」代表の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その言葉を見ていこう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

「50代になったら仕事ってどうなるの?」→奥田民生の回答にホッとした!
Photo by Takahiro Otsuji

50代は体力が半分になる

 50歳になると「体力との勝負」になってくる。

 50代は経験値は高いけど、手を動かす力は20代の半分くらいと思った方がいい。

 仕事も「これは疲れるからやめよう」など、取捨選択するようになる。

 でも50代なんてそう過ごすべきだと俺は思う。

50代は「楽な方へ」

 経験値が上がってできることがたくさん増えても、無理をすると病気になるから、「いまさらベテランがそんなに仕事するかよ」という空気を出しつつ、なるべく仕事は楽な方向に持っていきたい。

奥田民生の「取捨選択のポイント」は?

 仕事を取捨選択するときのポイントは事前に持っておくと迷わない。

 俺の場合は「若いときは忙しくてできなかったけど、本当に好きなことをする」と決めている。

 いまYouTubeの企画でやっている「トツゲキ!オートモビレ」(専用車で屋外レコーディングをするプロジェクト)なんかもそう。

 昔は楽しみながら外で自由にレコーディングをすることなんてできなかった。

苦手なことは苦手なままでいい

 あと「自分より得意な人がいることはやらない」っていうのも決めている。

 若いときは「苦手なものは克服したい」「できるようになりたい」と思っていたけど、50代になったらそれは「得意な人に任せればいい」と思えるようになってきた。

 昔は俺だって「できませんって言ったら負け」みたいなところはあったけど、50代になったら勇気を持って「できません」でいいと思う。

「あなたに譲ります」が言えるのが50代

 これはあきらめとは少し違って、50代はあえて「できません」「それはあなたに譲ります」でいいんじゃないかと思っている。

 50代はそんな感じでいろんなものを選びながら、自分自身を「最適化」するのがいいと思う。

 でも俺の場合はまだ忙しすぎて、自分の思う最適化はできていない。

(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)