これまでファミレス業態は二極化が進んでいると言われていて、その中でどっちつかずの位置にいるガストは苦戦していると見られていました。
具体的には低価格でローコストオペレーションを追求しているサイゼリヤが低価格方面の勝ち組というのがビジネス界全般での評判だというのが一方の側面です。
そしてもう一方の高級化路線では苦戦をしながらも厨房にコックさんを配置して常連客の高い支持を得ているロイヤルホストのようなやり方が存在していました。
顧客が二極化している以上、このようなコスパか品質かのどちらかの方向に振り切った業態が勝ち組となり、その中間の業態は苦しくなるという傾向がみられていたのです。
その流れで捉えると、ガストは長い間、この二極化の中間にある「死の谷」に転落しそうになりながら苦しんできたように思えます。そして近年のガストはその死の谷を脱出するために、高品質方向に舵を切ることで成功し始めています。
それもただ高品質方向に舵を切るのではなく、料理は高品質化しつつサービスをDXで低コスト化することで高級化側でのロイヤルホストの地位を脅かし始めているように感じさせるのです。
『至福のフレンチコース』で言えば、顧客が慣れてきたら本当はネコ型ロボットで料理を提供しても大丈夫なのだと思います。
できればネコ型ロボットの性能をアップグレードして「ビーフハンバーグのペリグーソースの到着だにゃぁ」ぐらいにサービスを進化させたら、なおいいのではないかと思います。
そうすれば、技術で日本語だけでなく英語もフランス語も中国語もすべて対応できますから、インバウンドの観光客は日本食のおいしさと安さに驚愕することになるのではないでしょうか。
それよりもビジネスとしての制約を考えるとこのコース、第二弾を開発するのはそうとう難しいと思われます。ガストでフレンチを愉しめるという至福の時間は、ひょっとすると今のうちに限られるのかもしれません。