長田 ただ、今では夫は私以上に家事をするし、私が苦手な学校周りのこまごまとしたこともやってくれてます。PTA活動に参加する保護者は母親の割合が高いため、めずらしがられてちょっと浮いたり、役員を任されそうになったりするそうです。
それから、これは特殊な例かもしれませんが、娘は私の仕事風景を垣間見て、「ジェンダーバイアスはよくない」という感覚を身につけている部分もあると思います。最近はオンラインでの会議や取材も多いので、たとえば今日のような話をしている場面で、子どもが近くで聞き耳を立てているんです。
私がオンラインで視聴しているコンテンツやイベントもジェンダーに関わるテーマが多いので、子どもにも少しずつジェンダー観がインストールされているように思います。保護者が学んでいることが、「門前の小僧習わぬ経を読む」ように子どもの中で育まれているみたい。
犬山 我が家は夫が料理担当ですが、娘が園児だった頃、私が料理をしている絵を描いていてびっくりしたことがありました。
私は料理しないのに、周りから「ママが料理をするもの」って学んでるんですよね。小さい子どもは本当に社会に影響を受けるんだなと感じた出来事でした。
いびつさを感じたら
突っ込みを入れよう
テレビや動画では、リーダーシップを男性がとり、アシストを女性がするという構図が多く見られる中、そういった偏りが女の子の将来の展望を妨げる刷り込みになるのではないでしょうか。
長田 女性の研究者が出てくると、なぜか「リケジョ」と呼ばれたりしますよね。
逆に、女性が多い職業は、保育士やヘルパーなどのケアに関わる仕事です。こういったケア労働は、平均的に低賃金なことも問題視されています。
偏っているな、いびつだな、と感じたら、いちいち突っ込みを入れることが大事だと私は思います。「男ばっかりじゃん」とか。
子どもと一緒に、間違い探しをするんです。