「男の子のプリキュア」メインキャラで初登場!子ども向け作品でジェンダーレス進む写真はイメージです Photo:PIXTA

昨今、話題の「ジェンダーレス」。つい先日も「ジェンダーレス(フリー)トイレ」をめぐって議論が白熱していたが、子どもを持つ家庭ではこういった問題を意識する機会が増えている。実は、子ども向け番組の中に性別のないキャラクターが登場したり、男の子のプリキュアが登場したりしているのだ。(フリーライター 武藤弘樹)

ジェンダーレスへの理解広がり
子ども向けフィクションで顕著

 時代の要請だろうか、ふと自分が、子どもの前で「『男の子っぽい』や『女の子っぽい』という表現を使わないようにしている」と気づくことがある。

 自分だけではなく、他の人も同様のシチュエーションで言葉選びに苦心しているようで、同じ悩ましさを抱えているらしい。
 
 これは「スカートをはきたい男の子だっているし、女の子を好きになる女の子もいる」という事実を子どもに理解してもらいやすくするための、下ごしらえのような試みで、すなわちジェンダーレスにまつわる教育である。
 
 近年、“ジェンダーレス”への理解が広く深まってきている。なお“ジェンダーレス”は主に性的指向についての文脈で用いられることが多く、似た言葉に“ジェンダーフリー”があるが、厳密に区別するとこちらは「社会・文化的に連綿と続けられてきた性差別をなくそう」という意味合いで用いられる。本稿では前者、ジェンダーレスについて言及していく。
 
 筆者の場合、“ジェンダーレス”という考え方は、子どもに新時代のニュースタンダードを自然な形で咀嚼(そしゃく)してもらおうとする際に、意識することが多い。
 
 特に子ども向けフィクションかいわいでは、令和に入ってからとみにジェンダーレス化が加速しているようだ。どのような事例が確認されたか、またそれに対する大人たちによる世論はどうなっているかについて紹介したい。