SHELLY 私は、人のために頑張ることはすごくいいことだと思っています。

 だから、LGBTQ+の話はストレートの人たちがするべきだし、女性の話は男性がするべきです。当事者じゃない人が話すことは非常に大事です。

 私が想像する将来の当事者は自分の娘なので、絶対に同じ思いをしてほしくありません。同じような環境で、同じようにイライラしてほしくないのです。

 もし30年後も同じ状況だったとしても、私は頑張っていたよということを残したいです。だから、自分の言い訳としても頑張れます。

男女別の「なりたい職業」を
作っているのは大人たち

SHELLY もし私が女の子でなかったら、タレントではなく、弁護士とか科学者になっていたかもしれません。

 私は小学校4年生までアメリカンスクールに通っていたとき、「アメリカ初の女性大統領になる」と言っていました。そんなことが言える環境だったのです。

 日本の学校に入ってからは、総理大臣になりたいと言ったことも、思ったことも一度もありません。なれると思っていないからです。

 日本でびっくりしたのは、将来の夢を女の子と男の子で分けていることです。女の子のランキングには「保育士」「看護師」が並び、男の子は「サッカー選手」「野球選手」です。そう言わなければいけない空気を作っているのは、大人です。

「女の子なんだから」「男の子なんだから」と子どもに他人が言ったらどう対応すべき?『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』(犬山紙子、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 子どもの時期は、これもやってみたい、あれもやってみたいと思う時期なのに、誰かの面倒をみることが何よりも夢というのは、私は疑問です。子どもながらに「ん?」と思っていた記憶があります。

 アメリカの有名な実験ですが、幼稚園の子どもたちに「お医者さんの絵を描いてください」「消防士の絵を描いてください」「ナースの絵を描いてください」と言うと、やっぱりみんな、医者=男、消防士=男、ナース=女で描きます。ロールモデルがいないからです。

【著者の対談相手のプロフィール】
SHELLY(タレント) 1984年生まれ、神奈川県横浜市出身。14歳でモデルデビュー以後、タレント、MCなど幅広く活躍。3人姉妹のママ。YouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」にて性教育コンテンツを配信中。