先日、クリップを使っていて、「そういえば、以前、大量に捨てちゃったな」と思いました。文房具の数を減らしていたとき、全然使っていなかったクリップを、12個だけ残して捨てたのです。その個すべてを使う必要が生じ、実際に使用しました。「もしかして、捨てすぎたかも?」とチラリと思ったのです。

 しかし、13個目が必要になったわけではありません。もし必要になったら、娘が持っていないか聞けばいいし、娘が持っていなかったら買ってくるか、なしですませる方法を考えればいいだけです。

 紙を2枚つなげたいなら、片隅をのりで貼ったり、マスキングテープで留めたりしてもいいでしょう。ホチキスを使うという手もあります。

 私は「あ、あれがいまあったら使えるかも」と思うことはあります。けれど「なくてもふつうに生活できているし、前より人生はよくなっている」と考えると後悔はないのです。

 後悔が多いなら、自分と向き合ってその後悔の本質をさぐってみてください。

 たとえば、服を捨てて後悔したとします。

「似たような黒いタートルネックのトップスが3着あったので、2着捨てた。捨てて半年ぐらいたってから、残した1着が破れた。手持ちの服がだめになったので、前に捨てたものがあればよかった、と後悔した」

 こんなふうに、「ああしなければよかった」「捨てなければよかった」と思ったら、そのできごとの顛末と、後悔した理由を書いていきます。

 その後悔がいつはじまって、どのぐらい続いたか、日付や後悔している期間も書きます。

 ノートを1冊用意して「私の後悔日記」とタイトルをつけ、半年から1年ぐらいつけるといいでしょう。スマホでつけても、いいかもしれません。

 ある程度、記録したら読み返してみてください。次のようなことがわかるでしょう。

・自分の後悔にはパターンがある(捨てて後悔する物は決まっている)
・貴重な時間と脳のリソースを使って後悔しなくてもいいことを後悔している
・脳が暇だから、ネガティブなことを考えてしまう
・後悔する外的な理由(体調が悪い、忙しい、子どもに手がかかる、その他日々の生活に対する不満)がある

 分析すれば、自分が後悔する理由が見えてきます。

 後悔することは決して悪いことではありません。人間は失敗する生き物です。記憶や自分のしたことを振り返る能力があるのは、じつはすばらしいことです。

 後悔することをあまりネガティブに捉える必要はありません。後悔するできごとから学ぶことができますし、今後の行動を修正できます。