「捨てたくない人」が楽に手放せるようになる、ベテラン家政婦がかける3つの言葉本当は捨てたい、でも捨てて後悔したくない (写真はイメージです) Photo:PIXTA

他人の「捨てられない様子」には
厳しい視線を送りたくなる

 片づけドキュメンタリー番組を見たという依頼者から「不思議なもので『捨てられない他人』をすごくもどかしく感じるんですよね、そんなの捨てればいいのに、って思っちゃう。私だって捨てられないのに」というような話をよくされます。自分の持ち物を捨てたくない理由というのは、そのくらい個人的な感情にひも付いていて、他者から理解されにくいものなのですね。

 前回のコラムでは「自称・捨てられない人」には2種類あって、捨てられない原因が「環境」にある場合、片づけ環境さえ整えれば取捨選択が一気に進むことを解説しました。

 一方、捨てられない原因が「感情」にある場合は少々厄介で、やり方を間違えると、片づけがトラウマになってしまうことすらあります。

 捨てられない自分を「矯正」するのか「受容」するのか。片づけの始まりには2つの選択肢があります。どちらを選んでも、結果「片づいた、やり遂げられた」と思えたなら成功です。しかしながら、多くの「捨てられない人」は、「捨てられないと片づかない」という思い込みから「矯正」一択で突き進んで、片づけの問題をますますこじらせています。

 私は、整理収納サポートの現場で「捨てられないならしかたない」という、「受容」から始める片づけに多数伴走してきました。小さく成功体験を重ねていくことは、部屋だけでなく、片づけに悩む人が自信を取り戻すステップとして非常におすすめです。

 今回は、捨てられない「感情」の取り扱い方法について、「矯正」と「受容」の違いを解説します。