総予測2025#19

史上最高値の更新が続く米国株。割高な株価指標、トランプ次期米大統領の政策など懸念材料もある中、2025年も「STAY INVESTED(投資を継続すること)」が正解なのか。特集『総予測2025』の本稿では、注目度が高まっている米国株投資において、個人投資家が取るべき戦略や25年に注目するべき銘柄をマネックス証券の岡元兵八郎チーフ・外国株コンサルタントに聞いた。(構成/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

米国株は25年、26年共に13%成長
幅広い銘柄で上昇が期待できる

 米国株の今後を考えるとき、大事なのは「誰が大統領か」ではなく、「利益がどれだけ伸びるのか」である。S&P500は2025年、26年共に13%前後の増益が見込まれており、25年末は7000ポイントが視野に入るはずだ。

 株価指標に割高感があるのは事実であるが、日本と異なり米国は成長市場である。25年も「STAY INVESTED(投資を継続すること)」が大事だろう。

 政策では規制緩和と減税が株価の押し上げ材料になる。米連邦取引委員会のリナ・カーン氏は巨大企業に対し、反トラスト法(独占禁止法)政策を展開してきた。カーン氏が退任することで、IT大手を中心に恩恵を受けるはずだ。

岡元兵八郎おかもと・へいはちろう/ソロモン・ブラザーズ証券(現シティグループ証券)入社後、外国株式のマーケティングなどに携わる。SMBC日興証券外国株式課長などを経て現職。新著に『本当に資産を増やす米国株投資』(ビジネス社)。

 足元でマグニフィセント・セブン(アルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディア)以外の企業の株価も上昇基調なことも好材料だ。減税はグローバル企業よりも、米国内で展開している企業において恩恵が大きい。24年までの米国株の上昇は7社がけん引してきたが、今後は幅広い銘柄で株価上昇が期待できる。

 7社についても引き続き有望だろう。広く深い「モート(堀)」を築いており、潤沢なキャッシュフローを基に研究開発を行い、新サービスを提供している。AIをドットコムバブルに例える人もいるが、当時と異なるのは業績の裏付けがあることだ。24年までのような株価上昇は期待できなくても、引き続き全体相場上昇のけん引役となるはずだ。

次ページではIT大手7社の中でも成長ポテンシャルが高い銘柄や、AI相場で注目される企業、トランプ大統領の政策が追い風となる企業まで具体名を挙げて紹介する。