総予測2025#59Photo by Masato Kato

居酒屋大手のワタミが相次いでM&Aを繰り出している。2024年に米国とシンガポールで食品加工会社を、国内では米SUBWAY(サブウェイ)の日本事業をそれぞれ買収。サブウェイについては「20年で3000店舗」を目標を掲げており、早速仕掛ける「夜サブ」作戦とは?特集『総予測2025』の本稿では、渡邉美樹会長兼社長がSUBWAYの成長戦略、そして苦境にある居酒屋業態のてこ入れ策を語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 澤 俊太郎)

25年も増収増益へ
国内ではなく海外で伸長

――2024年を振り返るとともに、25年の展望をお聞かせください。

 24年について、国内は外食事業が堅調。宅食事業は値上げにより利益率は守っていますが、食数自体は伸びていません。新商品を作ったので、しっかり伸ばしていける策を打っていきます。一方でシンガポールと米国での買収が非常にうまくいき、海外事業がとても好調でした。

 25年も増収増益になる見通しです。国内では大きな増収増益にはなりませんが、海外で大きな増益を見込んでいます。シンガポールのリーダー・フードはもともと、食品加工会社として買収しました。中国への販売など食品商社としての事業も始めているので、想定の2倍の利益を出してくれることを期待しています。今後、アジア展開するに当たり非常に良いポジションを取り始めています。

 米国で買収したサニー・スシ・カンパニーも利益貢献が大きくなっています。25年も海外のM&A(企業の合併・買収)は積極的にアンテナを立てて、検討していきます。

次ページでは、渡邉会長が10月に買収したサンドウィッチ大手のSUBWAY(サブウェイ)における新たな作戦を明かす。「20年で3000店舗」の野望に向けた「夜サブ」とは?苦境が続く居酒屋業態のてこ入れ策についても語った。