採用担当者は
企業の縮図

 まず採用担当者や面接官をよく観察することだ。「彼らはある意味で会社の縮図であり、その企業文化を体現する存在でもある」

 企業のホームページに載っている若手社員のインタビューも、広告的な側面があることを理解した上で読めば重要な情報源となる。

 特に、海外赴任や管理職への昇進といった華やかなキャリアパスの部分ではなく、その人がその会社を選んだ具体的な理由や、迷った際の決断のプロセスが参考になる。個人的な経験や、パーソナリティーがにじみ出ている部分に注目すると「その企業がどういう人を増やしたいのか見えてくる」。

 企業ごとに複数の人に会うことも重要だ。リクルーターが素晴らしい人だったなど、一人の印象だけで企業を判断するのは危険だ。「複数の人に会えば、共通する特徴から企業文化を読み取れる。興味がある部署の人の紹介をお願いすることは何も失礼ではない」

 また、入社後数年間の具体的なキャリアパスを聞くのも有益だ。「営業に配属した後、専門部門に異動する」など、ある程度のキャリアの幅や「○年で管理職に昇進する」といった例を示す企業も増えている。

〈入社後3年間は皆さんどのように過ごしているのですか〉といった聞き方で、ファーストキャリアを尋ねるのは有益だ。希望部署にどのくらいで異動できるのかを知ったり、仕事内容のミスマッチを防いだりできる。

答えにくい質問への
回答の態度を見る

 下表のチェックリストも活用してほしい。これらの質問に対して直接的な答えがあるか、明確な答えがない場合どう答えるか。さらには回答の姿勢を見ることで、企業の誠実度を測るバロメーターになると服部氏は言う。

 特に、1から3までは答えられても4以降は答えづらくなる。

 ただし、担当者の中に人事のプロである社外の採用コンサルタントが含まれていて、模範回答をすることもあるので注意が必要だ。

 当然だが、企業文化については社内の人が詳しい。何度も説明会に出てくる人はその企業の人である可能性が高い。