会社説明会に「ハック」方法あり!
フォーマルな場では“質問”を工夫
神戸大学大学院経営学研究科教授
はっとり・やすひろ/神戸大学大学院経営学研究科修了。「組織と個人の関わり合いはどこに向かうのか」と「個人の優秀さをいかに捉えるか」という2点をコアテーマに、人材採用の革新に関する研究、圧倒的な成果を挙げる「スター社員」の生態、そうした社員の「特別扱い」の研究などに従事。組織学会高宮賞などを受賞。
情報収集の際の細かい「ハック」もある。例えば、あえて会社説明会などのフォーマルな場で質問をすることは重要だ。企業が社員にどのように情報公開しているのかを垣間見ることができるからだ。
ストレートに求める人材を聞くのははばかられても、事業展開に絡めれば質問しやすい。企業の事業フェーズによっても求める人材は変わってくる。
「既存事業が堅調な企業では、着実に仕事をこなせる人を求める。新規事業の展開を進めている企業では、新しい発想ができる人を重視するかもしれない」
〈新規事業を展開されるに当たり、どのような人材を求めていますか〉と質問すると、より具体的な回答が得られやすい。
〈今後、御社ではどのような人材が必要になるとお考えですか〉という全般的な聞き方もある。
就職活動で陥りがちな誤解の一つが、特定の能力の有無で自分の可能性を狭めてしまうことだ。
「仕事に必要な能力は多元的。しかも、多くの能力は変わりやすいもの。訓練次第で伸ばすことができる」と服部氏は説明する。
だから特定の能力が今足りないからといって、勝手に自己卑下して応募を諦める必要はない。例えば、コミュニケーション能力は、話す力も書く力も、訓練によって確実に向上させることができる。英語力も訓練で伸ばしやすい能力の一つだろう。
最後に、企業がたとえ個性的な人材や「異能人材」を求めていたとしても、仕事ではチームワークができることが大前提であることを覚えておこう。
「個性は大切だが、まずはチームの一員として働けることを示すべき。その上で自分らしさを発揮する二階建ての戦略が効果的」
アドバイスを参考に、企業の本質を見抜いて、自分に合った企業を選んでほしい。