日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々は、今日で終わりです。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。それを可能にしたのが、『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』です。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書では、限りなく「ホワイト」で徹底的に磨かれたノウハウを網羅していますが、本連載の今回からは本の性格上、収録しなかった禁断のテクニックを紹介する。使うか使わないかは、自己の判断に任せます。
相手にどう印象を残すか
忘年会や新年会、送別会に歓迎会。スピーチを頼まれる機会があります。そこで差がつくのが、「相手にどう印象を残すか」。スピーチがうまい人たちは、最後の一言で相手の印象を巧みに操っています。そんななか、絶対に言ってはいけないひと言があります。それは……。
「話はまとまりませんが~」は印象を壊す
「話はまとまりませんが、以上です」。これを言った瞬間、スピーチ全体の印象が一気に崩れます。なぜなら、「今日は準備不足でした」「別の機会ならもっと頑張れます」という言い訳が透けて見えるからです。
人には最後に聞いた言葉を強く記憶する「親近効果」という心理現象があります。「話はまとまりませんが、以上です」で締めると、「あの挨拶、微妙だったな……」という印象が残りやすいのです。
親近効果を逆利用して印象を操る
しかし、親近効果を逆に利用することで、「上手なスピーチだった」という印象に変えることができます。その方法は簡単。スピーチの最後に「ピーク」を持ってくることです。最後の一言が強烈で感情に響くものであれば、相手の脳はスピーチ全体を「いいもの」として記憶します。
印象を操るための“ピークの作り方”
では、どうやって最後の一言をピークにするか。それは、相手の感情に訴えかける言葉を選ぶことです。ただ「ありがとうございました」と言うだけでは印象に残りません。少しだけ具体性や感情を込めたメッセージを添えることで、聞き手の心に響くスピーチに仕上げます。場面ごとに紹介しましょう。
忘年会の場合
「今年も1年間、本当にお疲れ様でした。それぞれが大変な時期を乗り越え、全力で支え合ったからこそ、ここまで来られたのだと思います。皆さんのおかげで、この一年を笑顔で締めくくることができました」
→ (最後に付け足す)「来年もよろしくお願いします。そして、今年1年、本当にありがとうございました!」
新年会の場合
「昨年は、皆さんと力を合わせて多くの課題を乗り越えることができました。今年はさらに成長の年にしたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いします」
→ (最後に付け足す)「今年も一緒に素晴らしい年を作りましょう!本日はありがとうございました!」
送別会の場合
「○○さんと過ごした日々は、私たちにとってかけがえのない時間でした。その明るさと丁寧さで職場の雰囲気を変えてくださった○○さんがいなくなるのは本当に寂しいですが、新しいステージでさらに素晴らしい成果を上げられると確信しています」
→ (最後に付け足す)「新天地でのご活躍を心からお祈りしています!これまで本当にありがとうございました!」
感情に訴えかける要素として重要なのは、具体性と共感です。「あなたにとって特別なメッセージ」という印象を与えることで、最後の一言が記憶に強く残ります。そして、必ず「本日はありがとうございました!」という感謝の言葉で締めくくりましょう。これが、スピーチの最後にピークを作り出すコツです。
スピーチは印象操作がカギ
スピーチがうまい人は、相手の印象を巧みに操作しています。「話はまとまりませんが~」で相手に「残念な印象」を残すか、「本当にありがとうございました!」で「素晴らしいスピーチだった」と思わせるか。すべては最後のひと言で決まります。
次のスピーチでは、親近効果を逆利用し、最後のひと言で相手の印象を操ってみてください。今年の挨拶が「最高だった」と評価されること間違いなしです!
禁断のテクニックを紹介しましたが、もっと使ってみたいときは『「8秒」で人の心をつかむ技術』がおすすめ。トップセールスのワザと、メンタリズムのノウハウを掛け合わせた最強のコミュニケーションスキル。自分の思い描くゴールに向けて相手を導き、自身の望み通りに未来を変えていきましょう。
(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)