ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。

部下がついていくる「できる返事」の仕方Photo: Adobe Stock

できる人は言葉で反応せず、感情で返事をする

「会話のオウム返し」とは、「相手の言葉を繰り返して言う」イメージがあるでしょう。もちろんその通りですが、コミュニケーションの手法として考えると、少し異なります。

 コミュニケーションの場において、有効な「オウム返し」とは何でしょうか。「オウム返し」をマスターすると、会話力が高まるので、ぜひとも極めたい技術です。

 そもそも「オウム返し」とは、目の前の人と会話で信頼関係を築くうえで、欠かせない「波長合わせ」の一種です。

 たまに、「この人とは気が合うな」と思う人がいるかもしれませんが、その人と自分の会話のペースが合っていたり、同じ言葉を使っていたりするからです。

 会話が苦手な方は相槌もワンパターンになりがちなので、まずは相手の言葉をそのまま返すオウム返しを取り入れましょう。

相手「天気がよくて気持ちいいですね」
自分「確かに天気がいいですね」

相手「ちょっと体調が悪いんです」
自分「体調が悪いんですか?」

 同じ言葉を返すことで相手の話を聞いている印象を強める効果があります。さらに、ここにもう一工夫しましょう。

「言葉」ではなく、「感情」をオウム返しするのです。「最近、お客様を怒らせちゃって落ち込んだよ」と相手が言ってきた場合、そのままオウム返しすると、「お客様を怒らせちゃったのか、それは落ち込むな」です。では、感情のオウム返しはどうなるでしょうか。「え!? それは落ち込むな~」と相手の落胆の感情の部分を返すのです。

 また、相手の言葉に感情が含まれていない場合は、相手の感情を想像して返しましょう。

相手「最近、ゴルフを始めました!」
自分「お! 始めたては楽しいのではないですか?」(機嫌がいい感情をオウム返し)

相手「今は繁忙期なので、かなり忙しいですよ」
自分「そうですか! それはつらいですね。どれくらい続くのですか?」(苦しい感情をオウム返し)

 このように、想像した感情をオウム返ししながら、「!(驚き)」と「?(疑問)」を足して行なうのがポイントです。

 相手の言葉を返すオウム返しは気軽に使えるので、感情を中心に返していただければ、そこまで苦もなくコミュニケーションを取ることができるのです。

(本原稿は、書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)