公式スケジュールは例外的
外資系企業などでは独自に

 以上のような流れを前提に、政府が企業に要請している就職・採用活動の公式スケジュールは次のようになっている。

 本選考のエントリーを受け付けて学生と接触する「採用広報」は3年生の3月1日から。面接や内定(内々定)出しである「採用選考活動」は4年生の6月1日から。さらに、内定式などを行う「内定日」は10月1日から、というものだ。

 しかし、実際はかなり異なる。外資系やベンチャーは以前から独自のスケジュールで採用活動を進めている。近年は、国内大手企業であっても公式スケジュールより前倒しで動いているといわれる。いまや例外の方が多数派といえる状況だ。

 採用手法も多様化しつつある。その一つが、2023年から始まった採用に直結したインターンシップからの採用。リクルートの調査によれば、今年は前年より6.7ポイント多い19.6%の企業がこの方法を採用している。従業員5000人以上の企業に限れば前年比11.7ポイント増の27.4%で、今後さらに増えるのは間違いない。

 もう一つ、近年注目されているのが企業側から就活生へ個別にアプローチする「スカウト・オファー型」の採用。学生がサイト上にプロフィールや自己PRなどを載せ、それを見た企業が直接学生にアプローチする手法で「ダイレクトリクルーティング」「逆求人型採用」などとも呼ばれる。

 その他「通年採用」「リファラル採用」「地域限定社員の採用」「職種限定型(ジョブ型)の採用」といった手法もある。

 企業はまさに、あの手この手で人材確保に取り組んでおり、志望企業がどの手法を使っているかは事前にチェックしてほしい。