「今それ言う!?」「前も注意したはずなのに…」「マルチタスクが無理」「やめたいのに、やめられない癖がある」。ちょっとモヤっとするあの人の違和感、発達障害グレーゾーンが原因かもしれません。1万人以上をカウンセリングしてきた専門家が、違和感の正体と対処法を解説します。第1回目は「そもそも発達障害とは?」について。書籍『発達障害グレーゾーンの部下たち』(舟木彩乃、SB新書)の中から発達障害の分類について解説します。さらに、大人になると厄介な「のび太型人材」についてお伝えします。(ストレスマネジメント専門家 舟木彩乃)
部下の言動に違和感…
発達障害の部下に悩む上司は多い
みなさんの部下に、次のような項目に当てはまる人はいないでしょうか。
・場の空気や雰囲気を読むことが苦手
・表情や声の抑揚が乏しい
・ルーティンを乱されると不快感を表す
・悪意はなさそうなのに、よく人を怒らせている
・音にストレスを感じやすい
これらは「発達障害」に見られる特徴の一部です。発達障害は、脳のさまざまな機能の発達に関する障害のことを指し、先天的(生まれつき)なものとされています。
カウンセラーである私は、このような特徴によって職業生活が妨げられているようなケースの相談を受け、「部下は(自分は)発達障害の可能性があるのではないでしょうか?」と聞かれることがあります。
近年、「発達障害」という言葉が広がってきたからだと思いますが、実は発達障害という単一の疾患があるわけではありません。