「それ、隠れ発達障害かも…」大人のADHDの5つの特徴とは写真はイメージです Photo:PIXTA

ちょっとモヤっとするあの人の違和感、発達障害グレーゾーンが原因かもしれません。1万人以上をカウンセリングしてきた専門家が、違和感の正体と対処法を解説します。第3回目は「自分に違和感を覚えた時、どうすべきか」。書籍『発達障害グレーゾーンの部下たち』(舟木彩乃、SB新書)の中から実際にあったケースをご紹介します。(ストレスマネジメント専門家 舟木彩乃)

女性のADHDも、意外と多い

 これまで、ADHDは男性に多いといわれていましたが、最近では女性のADHDも多いといわれています。

 ADHDはその特性の現れ方から「不注意優位型」「多動性・衝動性優位型」「混合型」(不注意も多動性も目立つ)の3タイプに分けて考えることがあります。

 女性は、この中では「不注意優位型」が多いといわれ、特に成人期以降に問題になることが多いようです。

 幼少期や学童期のADHDの男子は、他の子にちょっかいを出したり、授業中に席を立ったりするなど、分かりやすいADHDの特性(多動性・衝動性優位型や混合型)が出ていることが多いため、周囲に気づかれやすいです。

 一方、女性のADHDに多いとされる不注意優位型は、あまりにも忘れ物やなくし物が目立つケースでなければ、学童期に多少ケアレスミスや忘れ物が多くても、周囲がフォローしていると気づかれにくいのです。

 ADHDの特性は、年齢によって変わりますが、不注意の特性は成人期まで持続するといわれています。特に女性の場合は、多動性や衝動性が強く現れにくいため、不注意の特性が目立ちます。

片付けが苦手で、先延ばしグセが悩みの
30代女性・Gさん

 Gさん(女性30代)は、小学生の子どもと夫との3人暮らしで、現在は事務職の契約社員として働いています。

 Gさんの幼少期からの悩みは、片付けが苦手でとにかく捜し物をしている時間が長いこと、そして先延ばしにするクセがあることです。

 もともと地理が得意で旅行好きなGさんは、大学卒業後は大手の旅行会社に就職しました。