上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

会議や面談で必ずといっていいほど実績確認と激励が行われるが、業績回復に役立つどころか、逆に、参加者の意欲を低下し、抵抗感を増幅させてしまう。目標未達者に絶対してはならないNG言動がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

目標未達の状況が何も改善されない
会議のパターン

 チームのメンバーのモチベーションを高め、成果を上げることは、リーダーの使命だ。そのために欠かせないことが、見込数値と実績数値をつぶさに捉えて分析し、メンバーを鼓舞、激励することだと、ほとんどのリーダーが思っているに違いない。

 ところが、目標未達成の状況では、実績を確認することも、分析することも、メンバーを激励することも、成果の向上に役立たないどころか、さらに成果を低下させてしまうことがよくある。

 営業部門での会議では、多くの場合、はじめに必ず実績確認をすることが習慣化されている。会議のアジェンダが、(1)実績確認、(2)部長訓示、(3)各担当からの連絡……となっているケースだ。

 実績確認では、リーダーが営業担当者を順に指名して、実績を報告させる。目標を達成していればよいが、未達の場合は、原因を追究されて、叱責される。

 続く、部長の訓示でも檄(げき)を飛ばされ、各担当からの連絡では、「あれを報告しろ」「これを実施しろ」と指示、命令が続く――。

 主催部門は、目標達成のためには実績確認と激励が大事だと、良かれと思って実施しているが、目標未達の担当者のモチベーションはさらに低下し、成果は回復しない。いったい何が間違っているのだろうか。