6年連続1位は伊藤忠!→初任給25万超に大幅アップした銀行はどうなった?就職人気企業ランキング【文系男子完全版】写真はイメージです Photo:PIXTA 
*本稿は、週刊ダイヤモンド12/7号特集2「就職人気企業ランキング2024夏」を転載したものです。

続く売り手市場下で、初任給引き上げをはじめ若手の処遇改善や人事制度の見直しに取り組む企業が増加している。学生獲得競争が激化する中、人気を集めた企業はどこか。全5回の連載「2026年卒の学生に聞いた!就職人気企業ランキング」第2回は文系男子のランキング完全版を取り上げる。(調査・分析/株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室室長 高村太朗)
*著者の苗字「高」ははしごだか。

総合商社がトップ5独占、伊藤忠商事がV6

 伊藤忠商事が6年連続で1位となったほか、三井物産(2位)、三菱商事(3位)、丸紅(4位)、住友商事(5位)と総合商社がトップ5を独占した(下表参照)。

6年連続1位は伊藤忠!→初任給25万超に大幅アップした銀行はどうなった?就職人気企業ランキング【文系男子完全版】

 総合商社は、事業領域の広さや世界を舞台に活躍する商社パーソンのイメージから、文系男子学生の憧れは引き続き根強く、絶対的な人気を誇る。資源バブルは一服したものの、好調な事業投資や円安を背景に、今期も総合商社の業績は高水準で推移している。

 1位の伊藤忠商事は非資源分野で安定的な収益基盤を誇り、2025年3月期の通期業績予想は据え置きながら、過去最高を上回る見通し。「厳しくとも働きがいのある会社」を掲げ、産業界に先駆けて導入した朝型勤務や、夜の会食を1次会、午後10時までとする「110運動」といった働き方改革への先進的な取り組みも好感度が高い。

 また、人材育成方針を踏まえ、入社8年目までの総合職の海外派遣率指標を80%以上に設定。実績は87.3%で、グローバルに活躍したい学生の人気を集めた。

 2位の三井物産は、LNG(液化天然ガス)事業が想定より上向くほか、資産売却益も計画から上振れするなど、大手5社の中で唯一業績予想を上方修正しており業績は好調だ。自分の働きたい時間を自律的に考えられるフレックスタイム制や、利用回数の制限なく業務ニーズに最適な働く場所を選択できるリモートワーク制など、ワークスタイル改革への関心も高い。

 また、四半期ごとに100以上のポストを公募し、上司の承認なしに応募できる「人事ブリテンボード制度」をはじめ、社員の自律的なキャリア形成(挑戦・経験・学び)を後押しする仕組みも学生の琴線に触れているようだ。

 3位の三菱商事は、7月にウェブ上で開催したキャリア教育のキックオフイベント「MC Academia 〜Kickoff Session〜」をはじめ、早期から学生との接点を増やしている。また、異動を伴わずに所属部署以外の業務を経験できる社内複業制度「デュアルキャリア制度」を導入。業務時間内に他部署の業務を経験し、多様なキャリアを身に付けられる仕組みも好感されているようだ。

 次ページからはランキング1〜199位の完全版を紹介する。