増加基調の「世田谷学園」
2024年の受験者数が多い順にCランクの学校を見ると、芝、逗子開成、城北、攻玉社、桐朋と男子校が上位に並んでいる。とはいえ、増加基調にあるのは世田谷学園くらいのものである。四つの入試回で本科コース160人と理数コース40人を募集するが、4科と同じ試験問題を使用し、理数コースは算数と理科の配点を2倍にすることで理数が得意な受験生を有利にするユニークな設定となっている。
[1次]は本科55人と理数5人を募集する。24年の受験者数は、本科170人で2.46倍(23年1.62倍、22年1.82倍)、理数54人で10.8倍(23年8倍、22年9.14倍)とだいぶ倍率の差が大きい。10月から本科の志望者数は1割強増、2割弱増と揺れたものの、12月には1割弱増となった。25年の本科は3倍を維持しそうだが、理数については読み切れない。
おおむね前年並みとなりそうな男子校の入試回(24年受験者数・実倍率)は、城北[1回](407人・ 2.95倍)と桐朋[1回](347人・2.44倍)で、微減傾向にあるのが逗子開成[1次](439人・2.04倍)と芝[1回](530人・2.82倍)である。東京都市大学付属[1回II類](59人・1.69倍)も微減だが、Dランクとなる[1回I類](123人・3.51倍)の方はほぼ前年並みとなりそうだ。
その点、24年に385人が受験、2.23倍(23年1.96倍)だった攻玉社[一般学級1回]は、10月の1割減から2割弱減、2割減と減少傾向が続いており、25年は2倍を割る可能性も。狙い目の入試回となりそうだ。
共学校は大学の系列校が多い。芝浦工業大学附属[1回]は24年の312人・4.95倍(23年4.26倍、22年5.18倍)から2割弱減が続いており、25年は高くなりすぎた倍率が緩和されそうだ。24年受験者数が172人で2.69倍(23年2.83倍、22年3.13倍)と緩和傾向の中央大学附属[1回]は2割減が続いたが、12月には3割弱減とさらに減少しており、25年は2倍台前半への緩和が見込まれる。
140人が受験して2.75倍(23年2.66倍)だった中央大学附属横浜[1回]は、志望者数が揺れている。10月の1割弱減から11月は2割強減となり、12月には1割半減となった。25年は23年実績並みの倍率が見込まれる。24年98人・2.33倍(23年3.11倍、22年4.22倍)と年々ダイナミックに緩和してきた法政大学[1回]は、1割強減から1割半減へと減少が続き、25年はさらに受けやすくなりそうだ。青山学院横浜英和[A日程](61人・2.26倍)は10月の2割強減から12月には前年並みまで回復した。
三田国際科学学園[1回ISC](82人・3.04倍)も同様に1割減から微減に戻している。広尾学園小石川[1回本科](23人・5.75倍)は揺れが激しいものの、12月の3割減で落ち着きそうで、この高すぎる倍率が25年は4倍台に緩和するものと思われる。[1回ISG](25人・2.27倍)も揺れたものの、12月は前年並みに戻した。