安:福祉車両を主にご利用される方、障がいを持たれている方やご高齢の方は、体温調整が苦手な方が多いんです。
F:や、なるほど。今まで3列目の人は室温に対して多少の我慢を強いられていた。
安:そうですね。先代まではそうでした。「どうしても暑い」というお客様の声も多く寄せられていました。いま日本の人口動態を見ると、高齢化が進んで大変なことになっている。それなのに、福祉車両が市場にほとんど増えていない。
日本市場は、もっと福祉車両を買いやすくしていく必要がある
安:「福祉車」っていうと、何か特別なクルマのような感じで、みなさんやはり買いづらい。だから我々は、福祉車両とか、そういうクルマが必要な方のために、こうしたクルマをどんどん市場に投入したいと思っているんです。
でも、そのままの売り方をしていたらなかなか増えないから、もっと日常使いの面から訴求して、市場の中にこういうクルマがどんどん増えて、誰でも買える、買いやすいような環境にしていかないといかんなと本気で思っています。将来こういうクルマがないと、本当に困る世の中になってしまいますよ。「足りない」となってから慌てて造っても間に合わないので。
F:いいお話です。フリードは5ナンバーに収まるコンパクトな車体なのに、中に入ると驚くほど広い。福祉仕様車は車椅子もそのまま入る。いったいどのように造り込まれたのですか。他のクルマと比べて壁が薄いとか……?