また休日午後の上りは、渋滞が付きものですが、この渋滞の手前にあたるSA/PAも、「渋滞に遭う前に休憩をとろう」「渋滞に備えて食事やトイレを済ませておこう」と考える人が多くなることから、混雑する傾向にあります。
そして渋滞の手前にあたるSA/PAが、上述の「JCTから見て大都市圏側の大規模SA/PA」に合致すると、混雑はいっそうひどくなります。そのため「本線の渋滞に入る前に、SA/PAに流入するクルマの渋滞で時間を使ってしまう」こともあります。またそうした時間のロスで、SA/PAを出るときには渋滞がいっそう長くなっている可能性もありえます。
休日の帰り道に渋滞情報を知り、SA/PAで休憩を考えるときは、ギリギリまで本線を進むのではなく、やや手前のSA/PAを利用したほうが有効な時間の使い方ができるでしょう。
一方、大都市圏にもっとも近い上りのSA/PAも、混雑に注意が必要です。これらのSA/PAは、複数台でのドライブで交通費を精算したり、最後に別れの挨拶をするため、最終的な待ち合わせポイントに使われるケースがあるからです。
地理的な要因とは関係なく混んでいるSA/PAは?
さて、これら“地理的な要因”とはまったく関係なく、混雑するSA/PAがあります。それは「そのものが“観光地化”しているSA/PA」です。
前回の記事でも触れたように、高速道路会社各社は、SA/PA設置の本来の目的である「高速道路を使う人やクルマのニーズを満たす」というところから一歩進み、グルメ施設や産直の販売店などをSA/PAに設置するなどして、“立ち寄ることそのもの”がドライブの目的となるような次世代SA/PAの設置を積極的に進めています。
こうしたSA/PAは休日の日中を中心に、慢性的に混雑します。そして利用者の滞在時間も長くなりがちなので、駐車場がいったん満車になると、クルマを停めるのにも時間がかかります。
さらにクルマを停めた場所が休憩施設から離れたところだと、徒歩での移動距離が長くなり、「ちょっとトイレ休憩に立ち寄ったつもりが、思った以上に時間をロスしてしまった」といったケースもありえるのです。
観光地化したSA/PAそのものに立ち寄ることが目的でない場合は、こうしたSA/PAを避けるべきでしょう。
これら次世代型のSA/PAの代表例は、新東名の「富士川SA(上り/下り)」や関越道の「三芳PA(上り)」です。