混雑を避けるには「どこで休憩するか」シミュレーションが大事

 これまで、混雑しそうなSA/PAの典型例を説明してきましたが、実際に混雑を避けてSA/PAを利用するには、どんなことを心がければいいのでしょうか。

 まずお出かけ前に必ず心がけてほしいのが、「どこで休憩するか」のシミュレーションです。

 高速道路会社各社は、自社の利用者向けサイトでSA/PAの記載された路線図を掲載しています。その路線図を眺めつつ、本記事で解説した「混雑しやすいSA/PA」をチェックすれば、「待ち合わせにはどこのSA/PAがスムーズか」「休憩をとるならどのSA/PAか」などが分かるはずです。

 また「SA/PAのリアルタイムでの混雑状況」も、インターネットで確認できます。高速道路を走行中に休憩を考える場合は、この情報をあらかじめチェックし、利用するSA/PAを選択すれば、混雑による時間のロスは少なくなるでしょう。

 一方、高速道路会社各社が発信するSA/PAの詳細な施設情報も、複数台でのドライブでは有用です。混雑してるSA/PAでは、複数台で連れ立って流入しても、近隣の駐車マスに停めることができる保証はありません。バラバラの場所に停めてどこかに集合する場合でも、大規模なSA/PAでは手がかりがないとスマホで連絡を取り合うなど、無駄な手間がかかります。

 しかし高速道路会社各社のサイトでSA/PAの詳細な情報を確認しておけば、「○○の前」など、SA/PAに流入前でも、具体的な就業場所を指定することが可能になるのです。

「深夜、SA/PAが妙に混んでいる」事態が起こるワケ

 さて、ここまでは主に休日の行楽ドライブで混雑するSA/PAについて説明してきました。しかしこれとは別に、まったく異なる理由でSA/PAが混雑するケースがあります。

 まずひとつ目は、高速道路の「ETC深夜割引」にかかわる“時間調整のため”の混雑です。

 ETC深夜割引では、「0時から4時までに高速道路上にいること」で、通行料金が全区間にわたり原則3割引となります。そのため大都市圏や物流のさかんな地域では、23時を過ぎたあたりからSA/PAで時間調整するクルマが多くなり、時間帯によってはSA/PAの入口車線、出口車線の路肩にもクルマがびっしり並ぶような事態になります。

 ETC深夜割引は2025年7月頃に、割引適用時間帯を拡大した上で、その時間帯の走行分のみを割引対象とすることを骨子とした見直しが決まっていますが、それまでの間、この時間帯のSA/PAは、基本的に混雑していると考えて行動したほうがいいでしょう。