飛行3〜4時間で楽しめるのか?
コンコルドの超豪華フルコース

 2003年に運航停止となるまで、超音速旅客機として人気を集めたコンコルド。ニューヨークからロンドン、パリの大西洋横断路線をわずか3〜4時間で結んだ。一般的なジェット機路線のファーストクラスよりも高い運賃設定だったので、機内食もセレブ御用達にふさわしい超豪華なフルコースが提供されていた。

 1980年代にブリティッシュ・エアウェイズが運航したコンコルドの、ロンドン〜ワシントン線の機内食を見てみよう。

・食前酒:シャンパンやシャブリなどの高級ワイン
・前菜:鶏肉のガランティーヌ、スモークサーモンとキャビア、ロブスターの殻に載せられた茹でたザリガニ
・メイン:子牛肉のステーキ、ヒラメのロブスターソース、鹿肉のステーキから選択
・英仏のチーズセレクション
・ワイルドベリーとクリームのデザート
・コーヒーとケーキ、自家製チョコレート

 高級フレンチ顔負けのラインナップだ。とはいえ、3~4時間程度の路線だと、ゆっくり味わう暇があったのだろうかといった疑問も生じる。主要顧客は忙しいビジネスマンが多かったので、戦略違いだったのではないかとも思えてしまう。

 ちなみに、コンコルドの失敗については『JALが断念したコンコルドが“復活”?米国の最新「超音速旅客機」に死角はないか』で詳しく解説している。現在、米国の航空機ベンチャーBoom Technologiesが、新たな超音速旅客機を開発中だ。2029年の就航を目指しており、どんな機内食が提供されるかも興味深い。

歴史に残る「豪華な機内食」5選、『JALの寿司バー』は今どこに?Martine, a flight attendant, serving meals on a British Airways Concorde, UK, August 1983. Photo:M. McKeown/gettyimages
歴史に残る「豪華な機内食」5選、『JALの寿司バー』は今どこに?A line-up of some of the air stewardesses who attend to passengers on board the supersonic jet the 'Concorde', each one from a different airline.  Photo:Keystone/gettyimages