![大韓航空とアシアナ航空の合併が「JALの経営破綻前」に似ているワケ](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/650/img_155137f36059b738d7f09ae8dd7927c7140429.jpg)
韓国の務安国際空港で179人もの乗客・乗員が亡くなる痛ましい事故が起きた。韓国の航空業界が抱える問題について整理する後編。大韓航空とアシアナ航空の合併を無理やり進めることは、かつてJALとJASが陥ったようにシナジーをうまく発揮できず、ついには破綻の一因に至る可能性も懸念される。2025年は大手から中小まで大再編劇が起こりそうだ。(ライター 前林広樹)
>>『韓国179人死亡事故はなぜ起きたのか?LCCコスト競争と「大赤字」地方空港の闇』から読む
大韓航空とアシアナ航空が合併
懸念されるJALとJASの「二の舞」
2024年12月11日、長きにわたり協議されてきた大韓航空とアシアナ航空の合併が最終決定した。ソウル・仁川国際空港という東アジア最大のハブ空港を生かし、豊富な国際線ネットワークを持つ巨大エアラインの誕生は、日本の航空大手ANAとJALにとっても脅威となりそうだ。
合併作業は、大韓がアシアナを子会社化し、2年間かけて行われる。機材は現在、両社の単純合計で238機。作業完了後、新路線の拡充や重複路線の時間帯変更などでシナジーを発揮する方針だ。
大韓と提携する米デルタ航空は早速、25年5月にソルトレイクシティ~仁川路線の開設を発表した。大韓が加盟する航空連合・スカイチームにとっては、ネットワーク拡大のチャンスとなっている。