ドリフのコントは“フリとオチ”
電柱の倒し方で3時間会議も
この番組でコント作家としての腕を磨く中で、コントの王道とも言うべきザ・ドリフターズの番組に関わることになる。それが、フジテレビの看板番組『ドリフ大爆笑』だった。
「よく知られていますが、ドリフの現場はいかりや(長介)さんが仕切っていまして、とにかく、会議が長い。うーんって考え込んで、そのまま寝ちゃったり(笑)。コント台本に対するチェックも厳しくて、『誰だ、こんな医者コントを書いたやつは!』って、なぜこの台本がいけないのかをとうとうと語りながら、ご自身で何かを思い付かれたり。だから、この番組での台本はたたき台であって、ほとんどいかりやさんのアイデアが入っていました」
常に緊張感が張り詰める現場では、
「ドリフのコントは、萩本さんとは違い“フリとオチ”のコントなんです。いかにして、フリの部分をシリアスに仕上げて、オチに向かってドーンとひっくり返すか。その緊張と緩和を作り出すために、細かいところまで徹底して作り込む。だから、どうやって演者がコケるか、電柱をどっちに倒すかだけで、平気で3時間ぐらい会議をしちゃうんですよ」
萩本欽一とドリフの両者から、「作り込んだ笑い」を叩き込まれた清水氏。80年代後半になると、(現在にも続く)全く異なるコントづくりの現場に入り、時代の移り変わりを身を持って体感していく。