牛丼店で「並盛」を注文したところ、店員に出された牛丼は「大盛」だった。そして、注文の「間違い」に気づいたのは全部食べ終えてからだった——。その会計で、店員は「食べ終えてから言うのはおかしい」と突き放し、まるで「食い逃げ犯」のような扱いまでしてきた。このような場合、法的にどう考えられるのだろうか。
ここは関西地方にある学生街の交差点。牛丼チェーンがひしめき合い、昼夜問わず、牛丼をかきこむ若者たちの姿を見かける。
そんな繁盛店の一角で、男子学生の彰平(仮名)が「並盛」を注文したところ、店員に出された牛丼は「大盛」だったということがあった。
体育会系だけあって、たしかに「大盛」を注文しそうな面構えではあるが、「その日はたしかに並盛にした」と話す。だが、全部食べ終えてから「間違いに気付いた」という。
まるで「食い逃げ犯」のような扱いをされた
その会計で、店員は「食べ終えてから言うのはおかしい」「先に言ってもらわなければ困る」と突き放し、さらに彰平を「食い逃げ犯」のような扱いまでしてきた。
そんな態度に腹を立てた彰平は「お前が悪い」とまくしたて、店内は緊迫した雰囲気に包まれた。
結局、店側が折れたので、代金は「並盛」として処理されたが、このような場合、法的にどう考えられるのだろうか。櫻井俊宏弁護士に聞いた。
大盛が出てきた時点で気づいていたケース
――並盛を注文したのに「大盛」が提供された場合、そのまま食べてよいのでしょうか?
大盛が提供された時点で、客がそのことに気付いたとします。